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廃棄される電子部品が津軽塗の作品に 電産と津軽塗たなかのアップサイクルコラボ第2弾

廃棄される電子部品が津軽塗の作品に 電産と津軽塗たなかのアップサイクルコラボ第2弾

産業用組込みボードの開発・製造を手がける株式会社電産(本社:東京都)は、青森の伝統工芸「津軽塗」を手がける「津軽塗たなか」とのアップサイクルコラボレーション第2弾を発表します。本来なら廃棄される電子部品やデバイスに、津軽塗たなかの職人技術を掛け合わせて新たな価値を生み出す取り組みです。作品は、2026年10月21日(水)から23日(金)まで幕張メッセで開かれる「Japan IT Week 秋2026」内の「第8回 組込み・エッジAI EXPO 秋」で発表・展示されます。

漆を塗り重ねる津軽塗の伝統技術と、電子基板を積層する電産の組込み技術。異なる分野に息づく「重ねる技術」の親和性から生まれた、伝統とテクノロジーのアップサイクルコラボレーション。
漆を塗り重ねる津軽塗の伝統技術と、電子基板を積層する電産の組込み技術。異なる分野に息づく「重ねる技術」の親和性から生まれた、伝統とテクノロジーのアップサイクルコラボレーション。

「重ねる」技術がつないだ、工業製品と伝統工芸

電子基板は、複数の層を重ねて回路を組み、機能を実現する技術です。一方の津軽塗は、漆を塗っては研ぎ、また塗り重ねる工程を繰り返すことで、独特の模様と深みのある表情を生み出します。前者は工業製品の機能のための積層、後者は美しさや質感のための積層です。目的は違っても、幾重にも重ねることで新たな機能や表情を生むという点に、電産は両者の共通性を見いだしました。

この構造的な親和性に着目し、電子基板を何層にも積み重ねる電産の組込み技術と、津軽塗の技法を融合させています。津軽塗たなかの職人技で仕上げられた廃棄デバイスは、電子部品が本来持つ工業的な造形と、漆ならではの色彩や質感が一体となった作品へと生まれ変わります。アップサイクルを単なる再利用にとどめず、アートやデザインを通じてものづくりの魅力を伝えることを目指したコラボレーションです。

パートナーの津軽塗たなかは、青森県弘前市を拠点に、津軽塗の伝統技術を足掛け100余年受け継ぐ企業です。伝統を守りながら、新たな表現や現代の暮らしに寄り添うものづくりにも取り組んでいます。

廃棄電子部品たち。津軽塗は漆を塗っては研ぎ、また塗り重ねる工程を繰り返すことで、独特の模様と深みのある表情を生み出しています。 電産が扱う電子基板もまた、複数の層を重ねることで回路を構成し、機能を実現する技術です。
廃棄電子部品たち。津軽塗は漆を塗っては研ぎ、また塗り重ねる工程を繰り返すことで、独特の模様と深みのある表情を生み出しています。 電産が扱う電子基板もまた、複数の層を重ねることで回路を構成し、機能を実現する技術です。

電子廃棄物に「アップサイクル」という選択肢を

電子機器の利用が世界中で広がるにつれ、使用済み機器や製造工程で出る電子部品といった電子廃棄物の適正な処理と資源循環は、世界的な課題となっています。組込みハードウェアの分野でも、製品の安全性や環境負荷への配慮が求められる一方で、電子部品の使用量そのものが増え、役目を終えた部品の処理が課題になっています。

電子部品には、金属などの素材としての価値に加え、複雑な設計や精密な製造技術から生まれた独自の形状や構造があります。電産はこうした特徴を、廃棄物として処理するだけでなく別の価値へ転換できないかと考え、アップサイクルプロジェクトを進めてきました。リサイクルによる資源回収に加えて、既存の部品を素材や作品として活かす道を示すことで、電子廃棄物に対する新たな視点を発信していくとしています。

担当者が語る、取り組みの背景

担当者によれば、組込み業界ではRoHS指令などにより製品に含まれる特定有害物質の使用制限が求められていますが、電子機器や電子部品の使用が広がるなか、電子廃棄物の発生と適正な処理は引き続き取り組むべき課題だといいます。廃棄された電子部品は産業廃棄物として適切に処理する必要がある一方、回収できる金属の価値とリサイクルにかかるコストが見合わず、資源としての再利用が難しくなるケースもあるとのことです。

中小企業である電産が扱う部品の量はそれほど多くないものの、業界全体で見れば電子廃棄物の問題は決して小さくない。そこで、アップサイクルを通じて廃棄部品に新たな価値を見いだし、「こうした活用方法もある」という可能性を提案したいと考えたと担当者は語ります。異なる分野の技術や発想が出会うことで生まれる、これまで想定していなかった価値や活用方法を、作品を通じて多くの人に感じてほしいとしています。

製造や開発の過程で役目を終え、廃棄される電子基板。工業製品としての役割を終えた部品に新たな視点を加え、素材や造形が持つ可能性を活かすことで、新しい価値の創出を目指します。
製造や開発の過程で役目を終え、廃棄される電子基板。工業製品としての役割を終えた部品に新たな視点を加え、素材や造形が持つ可能性を活かすことで、新しい価値の創出を目指します。

技術と伝統の共創で広げる、ものづくりの可能性

50年以上にわたり産業用組込みボードの開発・製造に携わり、社会インフラや産業機器などを支えてきた電産。今回の取り組みでは、電子部品を工業製品の一部としてだけでなく、アートやデザインの素材として捉え直しました。技術者にとっては自らの仕事を新しい視点から見つめる機会に、伝統工芸にとっては新たな表現の可能性を探る機会になるといいます。また、普段は電子部品や組込み技術に触れる機会の少ない人にも、ものづくりの面白さや電子廃棄物問題を知ってもらうきっかけをつくるとしています。電産は今後も、社内外のパートナーとの共創を通じて、技術とデザイン、環境や文化をつなぎ、既存の技術資産に新たな価値を生み出す取り組みを進めていく方針です。

展示会の概要

  • 展示会名:Japan IT Week 秋2026
  • 出展展示会:第8回 組込み・エッジAI EXPO 秋
  • 会期:2026年10月21日(水)~23日(金)10:00~17:00
  • 会場:幕張メッセ
  • 展示内容:産業用組込みボード、エッジAI関連技術、アップサイクル作品、インダストリアルIPなど

出典:株式会社電産

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